(通算第35回)第13回アゼルバイジャン視力支援ミッション 最終報
2017年07月19日(水曜日)
報告者:ミッション代表 金井昭雄O.D.
(手前から)視力チェックをするUCバークレー臨床助教授・金井邦容O.D.、副社長・金井宏将O.D.、会長・金井昭雄O.D.
地元メディアの取材が入る中、スクリーニング作業を行うメンバー達
サラーム(こんにちは)!
7月17日(月)、ミッション作業もいよいよ最後を迎えました。これまでは国内避難民(IDPs)を対象に行われましたが、首都バクーでは主として難民や難民申請者を対象にスクリーニングが実施されました。
チームのメンバーは志気も高く、最終日の作業に取り組みました。現在アゼルバイジャンで保護されている国内避難民の数は618,220人で、難民の数は1,469人と報告されています。難民の内訳は、チェチェン565人、アフガニスタン774人、イラン83人、パキスタン23人、シリア16人、イエメン8人となっています。また難民申請をしている無国籍者の数は3,585人となっています。
従来スクリーニング作業はUNHCR難民女性・青少年センターで行われていましたが、今年は道路を挟んで反対側にある、200メートル程離れた、ビナガディ地区のN246小学校の校舎を借りて実施されました。
小学校の校庭には既に沢山の人が待ち構えており、真夏の過酷な暑さの中での作業となりました。作業はアゼルバイジャン語を話さないチェチェン難民はロシア語、アフガン難民にはそれぞれ通訳が入り、様々な言葉が飛び交う中、進められました。いつものように、ここでは強度の遠視乱視、不同視が多く、ミッション終了後、日本から送る特別製作眼鏡の数は一挙に42組(累計131組)となりました。
予想以上に沢山の難民、避難民、ローカルの市民が駆けつけ、受付は一時混乱に陥りましたが、警察官数人で上手コントロールしてくれました。
ミンゲチェヴィルやシェキでのテレビ取材と同様、バクーでも取材が入り、3度に亘って報道されるなど、富士メガネの活動はアゼルバイジャン全土に知られています。
今日は500人のスクリーニング予定でしたが、スクリーニング作業が比較的スムーズに進み、総数は579人となり、累計3,066人と、これまでの最高数字を記録しました。また寄贈眼鏡数は508組で、累計2,792組となりました。
夕方7時から、UNHCRアゼルバイジャン事務所主催の夕食会が、フリオ・デ・アンジェリス代表の自宅で開かれ、ミッションの成功をお祝いしました。
明日は午前11時に、チーム全員でアリ・ハサノフ副首相を官邸に表敬訪問することになっています。
サンフランシスコから参加している金井邦容UCバークレー助教授は、明後日の朝4時過ぎに空港へ向けてホテルを出発し、帰国の途に就きます。
第13回アゼルバイジャン難民・国内避難民視力支援ミッションもいよいよ終りに近づきました。今回はこのミッションが35回目という記念の年となりました。今回も沢山の人達の協力を得て、無事作業を終えることが出来ました。ご協力をいただいた関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
チョー・サオール(どうもありがとう)!
UNHCRアゼルバイジャン事務所主催の夕食会で記念撮影(ミッションを支えた全メンバー)
フリオ・デ・アンジェリス代表と談笑する会長・金井昭雄O.D.
(通算第35回)第13回アゼルバイジャン視力支援ミッション 第6報
2017年07月17日(月曜日)
報告者:イオン発寒店 原田卓東
作業場の入口に押し寄せるIDPの人々
(手前から)会長・金井昭雄O.D.、UCバークレー臨床助教授・金井邦容O.D.、副社長・金井宏将O.D.
メガネを寄贈したIDPの男性と記念撮影する原田卓東副主任(イオン発寒店)
現地スタッフと記念撮影
サラーム(こんにちは)!ミッションリポート第6報は、イオン発寒店・原田が担当いたします。
シェキに移動して2日目の作業となりますが、会場に到着すると入口にはすでに多くのIDPs(国内避難民)とアゼルバイジャン国民がいて、現地での当社ミッションの必要性を強く感じました。7月15日(土)は午前中のみの作業で、スクリーニング数344件、寄贈眼鏡数318組、札幌から後日発送する特別製作眼鏡11組となりました。本日の活動では強度遠視の11歳の子供や30歳までメガネを掛けたことがない強度近視の男性など、様々なケースに遭遇し、金井会長にご指導いただきながら作業を行いました。
その中でも私が一番印象に残ったのが80歳女性の方です。彼女はアルメニアとの紛争で子供3人を失い、右眼には戦争の影響で障害を負い左眼のみで生活をしており、亡くなった子供の写真を見るために近用メガネが欲しいとのご要望でした。メガネを掛けると何度も「ヤクシー(よく見える)!」と言って涙を流しながら握手を求められました。あらためてこの活動の意義を実感すると共に、日本で暮らしていると想像もつかないことが現地では起こっていて、深く傷ついている方が大勢いるという事も肌で感じ衝撃を受けました。
7月11日(火)から始まったミッションも、視力スクリーニングと直接の眼鏡寄贈は、明日で最終日を迎えます。現在までの累計スクリーニング数2,487件、寄贈眼鏡数2,284組、特別製作眼鏡89組となっており、日を追うごとに作業スピードも上がり、少しずつではありますが、自分自身の成長も感じております。
より多くの方に「ヤクシー(よく見える)」、「チョーサオール(どうもありがとう)」と言っていただけるように、明日も気を引き締めて行いたいと思います。サオール(ありがとう)!
(通算第35回)第13回アゼルバイジャン視力支援ミッション 第5報
2017年07月15日(土曜日)
報告者:副社長 金井宏将O.D.
現地のインタビューに答える会長・金井昭雄O.D.
見え方の確認をする、今まで一度もメガネをかけたことが無いIDPの男性
寄贈されたメガネで見え方を試すIDPの男性
皆様、サラーム(こんにちは)!第5報は金井宏将が担当いたします。
今回で13回目のアゼルバイジャン訪問となりました。今回は久しぶりに7月の中東の本格的な猛暑を経験しておりますが、メンバーはこの暑さにも負けず、元気に活動しております!
昨晩には、嬉しいサプライズがありました。当社の難民・国内避難民眼鏡寄贈支援活動(Fuji Vision Aid Mission)35周年を祝し、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のスタッフ、そして通訳の方々が特製のケーキを用意してくださり、大きなケーキを囲みながら、お祝いの会を開いてくださいました!本当の家族にお祝いしてもらっているようで、とても感慨深いものがありました。
本日は午前7時45分にミンゲチェヴィルのホテルをシェキに向け出発いたしました。シェキはミンゲチェヴィルのほぼ真北に位置し(距離にして約80キロ)、 50分ほどで到着いたしました。UNHCRの統計によると、シェキには1,273世帯、4,949人のIDPs(国内避難民)の方々が生活しています。今回の作業場は学校の食堂でしたが、UNHCRスタッフの方々の特別な配慮で、バクー以外の全ての作業場にエアコンが完備されており、連日の作業も非常にスムーズに進行しております。数年前にはこのような環境で作業が出来ることなど想像もしておりませんでした。本日もスクリーニング数451件、寄贈眼鏡数428組、特別製作眼鏡数13組となりました。4日間の合計スクリーニング数は2,143件、寄贈眼鏡数1,966組、特別製作眼鏡数78組となっております。
本日、特に印象深かったものとして、50歳代の男性で今まで一度も眼鏡を掛けたことがない方がいらっしゃいました。私の前にある椅子に座るまでの動きを見ると、余り良く見えていないことが想像できました。最終的には右眼-25.00D、左眼-16.00Dの強度近視が判明し、仮枠にレンズを入れ試してみたところ、それまで全く笑顔もなく、必要以上の話をしなかった男性が「良く見える!良く見えるよ!!」と、まるで性格が変わったかのように饒舌になり、喜びを表してくださいました。誰かの人生に大きなインパクトを与えることができる喜びを味わえるのは、ミッションの醍醐味なのではないでしょうか。
明日もシェキでの作業となります。明日は原田さんからのリポートになります。お楽しみに!
(通算第35回)第13回アゼルバイジャン視力支援ミッション 第4報
2017年07月15日(土曜日)
報告者:金井邦容O.D.(米国オプトメトリスト、カリフォルニア大学バークレー校オプトメトリー学部臨床助教授)
IDPの女性の視力チェックをする会長・金井昭雄O.D.
仮枠で見え方の確認をするIDPの女性
IPDの女性に見え方の確認を行う田中義久店長(平岸店)
寄贈されたメガネを試すIDPの女性
Greetings from Mingachevir!!(ミンゲチェヴィルからご挨拶)
第4報は、金井邦容が担当いたします。
ミンゲチェヴィルでのミッションも、最終日となる3日目を迎えました。ミンゲチェヴィルはアゼルバイジャンの北部に位置し、避暑地として知られていると、以前お聞きしました。バクーの暑さから5時間ほど離れ、穏やかな時期の札幌のようなところで検査をするのであろうと、私は淡い期待を持っていましが、当地の暑さもかなりのもので、昨日の昼間には35度を記録しています。検査チームの調子は上がり気味で、本日は601件(!)の検査を終えることができました。これは、富士メガネのメンバーだけではなく、通訳の皆さんやUNHCRのスタッフの方々と一体になったチームが、阿吽の呼吸で動いているおかげです。我々がどのように検査をするかを理解し、検査を受けるIDP(国内避難民)の方々が正しい方向を見るように、さりげなく視線を修正してくれたり、メガネの度数決定の際にも、被検査者と効率的にコミュニケーションをとり、最終決定に時間が掛からないよう、色々と配慮してくれています。また、メガネ配付担当のファタリさんは、ミッション参加11年目をむかえ、堂々たる熟練の仕事ぶりを見せています。このチームワークのおかげで、大きな数字を達成出来るのです。
検査の内容は、以前に行ったバルダなどの南部の都市に比べ、眼疾患のケースが少ない傾向がみられます。今日も601件中、44件のみと、3日間を通して同じような数値でした。「北部vs.南部」という対比が本当であれば、次の目的地である北部のシェキでも、同じような傾向がみられると予想されます。
次回はシェキより、副社長・金井宏将からのリポートになります。
(通算第35回)第13回アゼルバイジャン視力支援ミッション 第3報
2017年07月14日(金曜日)
報告者:狸小路本店 小野田健人
IDPの女児の視力チェックをする会長・金井昭雄O.D.
視力スクリーニング受付
見え方を確認するIDPの老人
サラーム(こんにちは)!
ミッションリポート第3報は、狸小路本店の小野田が担当させていただきます!私は国外に出ること自体初めてで、経験すること全てが新鮮、驚きの連続で、毎日充実した日々を過ごしております。
本日は昨日に続き、アゼルバイジャンの首都バクーから西へ、直線距離で約260km離れたミンゲチェヴィルでスクリーニングを行いました。ここミンゲチェヴィルは気温が上がりやすく、お昼の時点で35℃を超え、移動用バスの車内は42℃と、お風呂の中にいるような状態でした。そんな中でもスクリーニング会場には早朝から数多くのIDPs(国内避難民)が集まり、今なお続く紛争の過酷さを痛感しました。本日のスクリーニング数は542人、眼鏡寄贈が474組でした。
私も金井会長の隣で直接ご指導いただきながら一生懸命、対応致しました。その中でも私にとって、とても印象深かった事例があります。強い近視の20代の男性。昨年の紛争でメガネを失い、生活もままならない状態だという話で、実際に掛けるメガネの度数を体験して貰うと、「ヤクシー(見える)!ヤクシー!」と何度も見えることを喜び、最後には堅い握手と抱擁を求められました。自分が日本から遠く離れたこのアゼルバイジャンの地で少しでも人の役に立てたことが、とてつもない感動であり、見る事、見える事の重要性と、日本ではなかなか体験出来ない貴重な経験を数多くさせていただいていることを実感いたします。
今回のミッションの準備を献身的にお手伝いしてくださった皆様に、心よりの感謝としてこの言葉を。サオール(ありがとう)!
※IDP(Internally Displaced Person)
メガネを受け取ったIDPの男性と記念撮影する原田卓東副主任(イオン発寒店)
見え方の確認をする小野田健人さん(狸小路本店)
(通算第35回)第13回アゼルバイジャン視力支援ミッション 第2報
2017年07月12日(水曜日)
報告者:平岸西友店店長 田中義久
地元メディアのインタビューを受ける会長・金井昭雄O.D.
IDPの男児の視力チェックをする副社長・金井宏将O.D.
IDPの男児の視力チェックをする臨床助教授・金井邦容O.D.
みなさんこんにちは!
ミッションリポート第2報は、平岸西友店・田中が担当させていただきます。
昨日はバクーからミンゲチェヴィルまで、車で約6時間かけ移動いたしました。
本日(11日)は現地でのミッション初日となり、ホテルから車で15分程の場所にある、国内避難民(IDP)居留地の作業会場に到着しました。関係者全員で素早く会場のセッティングをして作業開始、初参加ということもあり少し戸惑いましたが、金井副社長の助言や通訳のラミルさんの助けもあり、徐々にスムーズな作業を行うことが出来ました。近方が見えないとの訴えが圧倒的に多く、日本とは異なり遠視の方が大半を占めています。今までメガネを掛けたことのない60代女性の視力をチェックし、近用メガネを差し上げたところ、「ヤクシー(良く見える)!」と感激され、力強い握手とキスをしていただきました。このミッションの意義を再認識する機会となりました。
UNHCRアゼルバイジャン事務所のエルセヴァールさんに確認したところ、この地区の国内避難民は1,098世帯で、今日は予定よりも多い528人の国内避難民の方々へのスクリーニングを行い、494人にメガネをお渡しし、後日札幌から発送する特別製作のメガネが18件となりました。現地でも富士メガネとUNHCRとの協力関係で行われるこのミッションが歓迎されていることを強く感じています。明日もこのミッションを支えていただいている方々との協力で、より多くの方へメガネをお渡し出来るよう頑張ります。
明日は、ミンゲチェヴィルでのミッション2日目です。リポートは、担当の小野田さんに託したいと思います。皆さま楽しみにお待ちくださいませ。サオール(ありがとう)!
スタッフ全員で記念撮影(ミンゲチェヴィルのホテル前にて)
視力チェックを作業会場の外で待つ人々
(通算第35回)第13回アゼルバイジャン視力支援ミッション 第1報
2017年07月11日(火曜日)
報告者:ミッション代表 金井昭雄O.D.
UNHCRアゼルバイジャン事務所にて
眼内レンズ、補聴器の寄贈式を終えて
日本側、現地側スタッフ全員でのミーティング
ミッションメンバー、UNHCRスタッフ全員で
サラーム!
札幌を出てから28時間かけ無事バクーに到着しました(日本との時差は5時間)。金井邦容UCバークレー助教授は半日程早くサンフランシスコを出発、我々とは9日(日)早朝4時半頃、トルコのイスタンブール空港で合流しました。
バクー到着後、UNHCRアゼルバイジャン事務所から迎えに来てくれたシニアドライバーのアゼルさん、ラッシャドさんの2人と1年ぶりの再会を喜び合いました。今年はUNHCRの事務所がバクーの中心に近いウインターパークプラザという新しいビルに移転しました。また事務所の代表がイタリア人のフリオ・ディ・アンジェリスさんに代わり、更に日本大使館の大使も高橋大使から香取大使に交代するなど、ミッションも大きな変わり目の年を迎えています。
バクー到着の翌日、7月10日(月)朝9時半にUNHCRアゼルバイジャン事務所を訪れ、新代表に到着のご挨拶、いよいよミッションのオフィシャルスケジュールが始動致しました。今年はニデック社寄贈の眼内レンズ、及びシバントス社、ワイデックス社から寄贈いただいた補聴器の贈呈式を、関係NGOを事務所に招いて執り行いました。ホテルをチェックアウトし、11時半から日本からのチームとUNHCRアゼルバイジャン事務所のスタッフ、そして通訳が全員揃って顔を合わせるため、ホテル2階の会議室で出発前のミーティングが行われました。フリオ・ディ・アンジェリス代表は、「アゼルバイジャンに保護されている難民や、国内避難民に対する日本からの視力支援サービスは受益者は勿論のこと、アゼルバイジャン政府にとっても大変有り難く思われています。」と丁寧にご挨拶された他、「プライベートセクター・パートナーシップの最も望ましいモデルである。」と紹介されました。このミーティングには在アゼルバイジャン日本国大使館から薄井一等書記官と通訳のレイラさんが同席されました。ミーティングでは、いつも一人ひとり自己紹介をして貰っていますが、今年は富士メガネの参加メンバーである田中さん(平岸店)、原田さん(イオン発寒店)、小野田さん(狸小路本店)の3人とも流暢な英語で行い大変好評でした。
ホテルでのランチの後、最初の訪問地のミンゲチェヴィルに向け出発しました。今年のミッションは例年と比べ2ヵ月ほど遅く、最も暑い真夏の時期ではありますが、予想より少し凌ぎやすいミンゲチェヴィルです。明日からの活動報告を楽しみにしていて下さい。
(通算第35回)第13回アゼルバイジャン視力支援ミッション出発
2017年07月08日(土曜日)
手続きの順番を待つメンバー
7月8日(土)に新千歳空港を出発した会長・金井昭雄O.D.以下メンバー5名
UNHCR(国連難民高等弁務官)アゼルバイジャン事務所の要請を受け、第13回アゼルバイジャン難民・国内避難民視力支援ミッションがいよいよスタートいたしました(7月8日(土)から7月21日(金)迄の予定)。本日、富士メガネ会長・金井昭雄O.D.、副社長・金井宏将O.D.、田中義久(平岸西友店店長)、原田卓東(イオン発寒店副主任)、小野田健人(狸小路本店)の5名が、新千歳空港発の全日空便で元気に出発しました。今年は成田空港でターキッシュエア便に乗り継ぎ、イスタンブールを経由して、アゼルバイジャン首都バクーに向かいます。
一行は、サンフランシスコ国際空港を出発した金井邦容O.D.(富士メガネ社外取締役・UCバークレー校研修医管理部長 臨床助教授)とイスタンブール空港で合流し、7月9日(日)バクー空港に到着予定です。
本日より、チームの活躍の様子をお知らせして参ります。ミッションの無事終了まで、メンバーからの現地リポートをお待ちください。
※O.D.(米国オプトメトリストドクター)
※各ページ文章内の肩書きおよび役職名は、記事内容当時のものです。