主な受賞歴

UNHCRより日本人初の「ナンセン難民賞」を受賞

2006年10月2日(月)

「ナンセン難民賞」は、1954年、難民の窮状に焦点を当てるため、難民に多大な貢献をした個人または団体を称える目的で創設され、難民支援のノーベル賞とも言われています。
受賞者には「ナンセン・メダル」と賞金10万ドルが授与され、賞金は受賞者が指定する難民救済に充てられます。

ノルウェーの極地探検家で、大規模な難民支援の先駆者であり、初代国連難民高等弁務官であったフリチョフ・ナンセン氏(1922年のノーベル平和賞受賞者)にちなんで名づけられ、画期的なアプローチで難民保護と支援に献身的に貢献したこと、自己犠牲を伴う勇敢な行為による難民支援、難民を取り巻く状況改善に並外れた功績を残したことなどが選考の基準となります。ナンセン・メダルにはフリチョフ・ナンセン氏の肖像(横顔)と名前、"慈善的な行為こそが最も実践的な政治である"という同氏の言葉が刻まれています。

過去には、エレノア・ルーズベルト アメリカ元大統領夫人(1954年)、タンザニアのニエレレ大統領(1983年)、カナダ国民(1986年)、スペイン国王カルロス1世(1987年)、ドイツ連邦共和国ヴァイゼッカー首相(1992年)、国境なき医師団(1993年)、オペラ歌手のルチアーノ・パヴァロッティ氏(2001年)など著名な方々や団体が受賞しています。

当社会長・金井昭雄O.D.は長年に亘って実施してきた「海外難民や国内避難民への視力支援活動」の功績が認められ、日本人で初めて、企業経営者としても初の受賞となりました。

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2006年UNHCR「ナンセン難民賞」受賞者発表

2006年10月2日(月)

2006年7月4日、スイス・ジュネーブのUNHCR本部に於ける定例記者会見で、"本年度の「ナンセン難民賞」は20年以上に亘り難民の視力検査を行なってメガネを提供し、世界各国の10万人を超える人々の生活の質を向上させた日本人オプトメトリスト・金井昭雄氏に贈られる"と発表されました。

この発表はUNHCR本部、駐日事務所及び国連本部のウェブサイトに掲載、メディア各社を通じて全世界に報道されました。日本国内ではNHKの全国ニュースでの報道を皮切りに、全国紙、地方紙、北海道内の報道各社によりそのニュースが大きく報じられました。

UNHCR本部(スイス・ジュネーブ)での授賞式

2006年10月2日(月)

授賞式は2006年10月2日、UNHCR執行委員会の年次総会開催に併せてスイス・ジュネーブのUNHCR本部で開催され、世界各国政府代表、外交官、NGO代表、国際機関職員他、300余名が出席し、盛大に開催されました。授賞式では、当社会長・金井昭雄O.D.にアントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官から「ナンセン・メダル」が手渡された他、これまでの活動を紹介するビデオ映像が放映されました。

グテーレス国連難民高等弁務官からは、「金井氏のお蔭で、非常に困難な状況にある何万もの難民は、人生の新しい展望を抱くことができた。視覚という贈り物は貴重だ。視力が回復すると、個人の人生は大きく変わる。子供も大人も学習が可能となり、疎外された状況から立ち直ることができる」とのお言葉をいただきました。

「ナンセン・メダル」を手にし、金井は「1組のメガネが難民や国内避難民の人生を変えることがある。個々の小さな努力が難民の生活改善に重要な役割を果たすことかできると実感した。この活動を将来に亘って継続していきたい。賞金はアルメニアの難民とアゼルバイジャンの難民、国内避難民の福祉向上のために使っていただきたい」と受賞の挨拶を述べました。

この授賞式の様子も様々なメディアを通じて報道され、ニュースが世界を駆け巡りました。

日本での「ナンセン難民賞」受賞記念祝賀レセプション

2006年10月2日(月)

日本では、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官の来日に合わせ、受賞記念祝賀レセプションがUNHCR駐日事務所及び国連UNHCR協会の主催で、12月5日、東京・渋谷の国連大学ビル大ホールで開催されました。緒方貞子元国連難民高等弁務官をはじめ、日本政府関係者、各国外交官など多数が出席する中、盛大に行なわれました。受賞のお祝いに、国連大学ビルの外壁にはナンセン・メダルを中央にデザインし、"a vision for the future~Dr.Akio Kanai~"の文字が入った4m四方もある大きなバナーが掲出されました。また、会場には安部晋三内閣総理大臣(当時)からお祝いのお花を頂戴した他、祝賀会では、2004年、スペイン・バルセロナで開催された「世界難民の日」記念行事で直接お会いする機会を得たアンジェリーナ・ジョリーUNHCR特使から当社会長・金井昭雄O.D.に宛てたお祝いのビデオメッセージも上映されました。

海外難民視力支援活動の写真パネル展も同時に開催され、ご出席の皆様からあらためて高い関心と祝福の言葉が寄せられました。

~A vision for the future~

2006年10月2日(月)

海外での難民視力支援活動は毎日が感動の連続で、与えるより与えられことの方が多い貴重な体験です。何よりもメガネを掛けた瞬間、喜んでくださる難民の方々の笑顔が、この活動継続のエネルギーとなっています。同じ志でミッションに関わっている心優しい方々との出会いと感動の共有は、私たちにとって大切な宝物となっています。現地で共に汗を流した協力者との交流は年を経ても途切れることなく続いています。

ミッションに参加した社員にとっても、この活動は仕事の本質と使命感を再確認できる良い機会になっています。

金井昭雄O.D.と長年親交のあったUNHCR駐日事務所ロバート・ロビンソン元代表は、この活動を「まだ平和構築という言葉が世に出るずっと前から、平和に貢献する活動として続けられてきた*」と評してくださいました。

この活動は、UNHCR本部、各国のUNHCR事務所、国際的NGOをはじめ、業界内外のお取引先様、お客様など、各方面の皆様からの温かいご支援に支えられています。あらためて心から感謝申し上げます。ナンセン・メダルの重みと意義を社員一人ひとりが再確認し、これからもこの活動を地道に継続して参りたいと思います。

"A vision for the future~未来へのビジョン~"が私たちの合言葉です。

vision:視力、理想像
*UNHCR駐日事務所発行「Refugee is...」Vol.2より引用